こんにちは!看護師から治験コーディネーター(CRC)に転職した夏樹です。
今回は治験コーディネーター(CRC)のやりがいについて書いてみます。
看護師の仕事のやりがいってわりとわかりやすかったんですよね。
私にはキツイ仕事ではありましたが、もちろんやりがいはたくさんありました。
- 看護計画で立てたプランをみんなで取り組んで目標が達成できたとき
- 他職種とうまく連携が取れて良い看護を提供できたとき
- 患者さんに「ありがとう」と言ってもらえたとき
…ところで、治験コーディネーターって事務仕事が多いと聞くけれど、それでも看護師のようにやりがいを感じる仕事なのかな?と疑問に思われるかもしれません。
もちろん、治験コーディネーターはやりがいのある仕事です!(^^)
看護師時代とはまたちょっと違いますが、看護師時代には味わえなかったやりがいを感じます。
どんな時に治験コーディネーターとしてやりがいを感じるか、例を挙げていきます。
目次
自分の努力や工夫で仕事がスムーズにできたとき
看護師時代はある程度「やらなければいけないこと」が決まっていました。
1日の流れ・曜日ごとの仕事もだいたい決まっていますよね。
先輩方の長年の経験やその病棟の雰囲気に合ったやり方が一番効率的だからです。
ですが、治験コーディネーターは違います。
出勤してまずどの仕事にとりかかろうと自分の自由です。
施設のスタッフさんや患者さん、モニターさんとのかかわり方も自分次第です。
自由に思える反面、誰も自分の仕事を管理してくれません。
その分、自分の工夫次第で仕事がスムーズに進んだときの感覚は爽快です。
最先端の治療に関わることができたとき
最先端の治療にいちはやく関わることができるという点もやりがいのひとつです。
「こんな新しい作用機序の薬の治験が始まるらしい…」という噂を聞けば血がザワザワします。笑
「面白そう!やりたい!」と知的好奇心が刺激されます。
そして、新しいお薬の治験に関われるということは今までの薬が効かなかった患者さんのQOL向上や、症状の改善の手助けをすることができるということ。
また、治験に関わる医師が「患者さんに良い治療を届けたい」という気持ちで真摯に治験に取り組んでいる姿を見ると身が引き締まる思いですし、一緒に仕事ができることが光栄だとも感じます。
日々忙しくてなかなかそこまで思いをはせることはできませんが、ふと考えたときに「大切な仕事だなぁ」と誇らしい気持ちになります。
…ですが、治験のお薬はなにも最先端の薬や抗がん剤ばかりではないので「この薬ってどうなのかな…」「あぁ、製薬業界の都合でやっている試験なのかな…」みたいな試験もあります。笑
それも必要な試験なんですけどね。
あと非常に言いにくいのですが、治験の利益(お金)の方に目が向いているのでは…という医師もいなくはないです…。
様々な分野の疾患・治療を学ぶことができるとき
さまざまな疾患の治験を受注しているSMOに就職すれば、今まで看護師としてあまり携わったことのない分野の勉強ができます。
新しい領域の疾患や治療法、医療機器について学ぶ機会がたくさんあります。
看護師として働いた経験があっても、担当の領域以外のことって全然わかってなかったんだなぁ…!と感じることばかり。
勉強は大変ですが、また違う分野の治験に関わっているときにふと役立ったりするんですよね。
医療人として知識の深みが出てきたな~なんて思うのもやりがいを感じる瞬間です。
担当試験の薬が製造販売承認されたとき
治験コーディネーター4年目となり、自分が関わった治験のお薬がいくつか承認されるようになってきました。
特に思い入れのある薬が、治験の時とは全く違った名前で世に出ている姿を見ると感慨もひとしおです。
(治験薬は ABC-12 みたいな記号で呼ばれます)
無駄に画像検索とかしちゃいます。
「おまえ…立派になったな…(:_;)」ってかんじ。笑
承認がおりるまでは治験が全部完了したあと承認申請が提出されてから1~2年ほどかかるので、もうその時担当していた施設からは外れていることが多いです。
「あの時大変だったなぁ、あの被験者さんお元気かな?先生も喜んでるかな…」と、それぞれの場所で喜びを噛みしめている姿を想像しています。
私は身内にも医療者が多いのですが「○○ってお薬知ってる?そう、最近認可になった新しい薬!あれ私が治験に関わったんだ~」と自慢してはウザがられています…。笑
新薬を待ち望んでもらえたとき
私にとってはやっぱりこれが一番です。
「治験に参加して良かった」「治験のお薬いつ使えるようになるの?」などと言ってもらえるととてもうれしいです。
ちょっと具体的なエピソードを話すと…
とある治験で高齢の方が参加してくれたのですが、ご家族の方がとても不安そうで来院のたびに仕事を休んで付き添いをされていました。
治験に参加するときに家族で相談し納得はしたものの「治験薬ってどんなものだろうか?症状が悪くなったりはしないだろうか?」と不安は拭えない様子でした。
私も治験コーディネーターとして、ご家族が何について心配しているのかその都度聞き取ってかみくだいて説明したり、時には医師に詳しい説明をしてもらえるようお願いするなどして対応しました。
(このあたりは、看護師の経験がとても役立ったと思います…!)
そして、治験薬を内服しているあいだ被験者さんの症状はとても安定していました。
1年間の治験が終わると、治験コーディネーターとしてはもう診察に同席することもなく、被験者さんと会う機会はなくなってしまいました。
ですが、たまたま他の治験の対応で病院に来ていた時にばったりご家族の方とお会いしました。
ご家族は「あのお薬いつ承認になるの?今もとの治療に戻ったんだけど、やっぱり治験のお薬が一番合っていたみたい。母も治験のお薬いつ使えるようになるかなって心待ちにしてるのよ」と、私の顔を見るなり仰られたのです。
「先日、メーカーさんから承認申請をしましたという報告があったのでもうしばらくですね…」とお答えしましたが、こんなに新しい薬を待っていてくれている方がいると思うと、この仕事を頑張って良かったなぁ…ととても嬉しかったです。
治験コーディネーター(CRC)のやりがいについてまとめ
日々忙しい中でもふと自分の仕事を見つめ直すと、たくさんのやりがいを見つけることができます。
看護師時代より目に見えにくく地味かもしれませんが「きっとこの薬が患者さんの役に立つ日が来る!」と思うと自分の仕事がとても誇らしく思えます(^^)
看護師とはまたちがった苦労もありますし、辞めたいと思ったことも正直あります。
でもそれでも治験コーディネーターを続けているのは、しんどさよりもずっとやりがいの方が大きくて仕事が楽しいからだな~と感じています。
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