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海外のつわりの薬DiclegisやBONJESTA、日本ではなぜ認可されないの?

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こんにちは。治験コーディネーターの夏樹です。

この記事を読んでくださっている方、つわり中でしょうか…。

ほんとうにつらい思いをされていると思います。

私は治験(薬の認可のための試験)に関わる仕事をしているのですが、職場には女性が多く「つわりの薬の治験があれば被験者になりたいわ…」と言い残して休職した妊婦の同僚もいました…。

ところで、つわりの薬って海外では認可されているって聞きません?

海外で処方されるつわりの薬はアメリカだと「Diclegis」「BONJESTA」というものがあります。

じゃあどうして日本にはないの?!と、その辺を治験コーディネーター目線で深堀りします。

ちょっと長いので、読むのつらい方は旦那さんなどに読んでもらってくださいね。

海外のつわりの薬、DiclegisとBONJESTAとは?

アメリカで認可されているつわりの薬、 DiclegisとBONJESTA はこんな薬です。

  • Diclegis: pyridoxine(ビタミンB6)10㎎ + doxylamine (抗ヒスタミン剤)10㎎
  • BONJESTA: pyridoxine(ビタミンB6)20㎎ + doxylamine (抗ヒスタミン剤)20㎎

どちらもビタミンB6と抗ヒスタミン剤の合剤ですが、容量がBONJESTAの方が多いです。

If your morning sickness symptoms persist, your health care provider may recommend vitamin B-6 supplements (pyridoxine), ginger and over- the-counter options such as doxylamine (Unisom) for management.

引用:MAYO CLINIC

英語苦手なりに海外の文献を探したのですが…、

つわりの症状が続く場合は、医療者はビタミンB6サプリメント(pyridoxine)、ショウガ、および doxylamineなどの市販のオプションを推奨することがあります。

ショウガもいいんですね!飴とかで取り入れられそう

DiclegisとBONJESTAはどうして日本で認可されない?

では、どうして海外では使われている DiclegisやBONJESTAは日本で認可されないんでしょうか。

厚生労働省のHPで調べてみたところ、令和4年6月の時点でつわりの薬の認可状況についてこんなことがわかりました。

たぶん、私がどこよりも詳しく調べてるはず。笑

日本産婦人科学会から厚生労働省に、つわりの薬であるBONJESTAの認可をすすめるよう要望書を提出しています。

そして厚生労働省も、 BONJESTAの認可に協力してくれる製薬会社を募集しています。

ですが、手を挙げる製薬会社がいない というのが現状です。

引用:開発企業の募集を行った医薬品のリスト(令和4年5月16日時点)

ほかの薬は検討されているものも多いのに…。

薬は製薬会社がなければ開発できません。

そして、製薬会社も企業なので予算や人材に限りがあり、すべての薬の開発に着手することは不可能です。

と、なるとやはり利益が取りやすく、開発しやすい薬から開発するんですよね…。

では、なぜつわりの薬は海外では認可されているのに製薬会社が敬遠するのでしょうか。

つわりの薬は服用者・服用期間が限られている

つわりの薬を飲むのは妊婦さんだけです。

年間84万人の赤ちゃんが生まれているとして、つわりで薬を飲みたいというママはどれくらいいらっしゃるでしょうか。

しかも、つわりは妊娠中期になると落ち着いてくるケースが多く、薬を飲む期間も3ヵ月程度と短いものです。

薬の開発には莫大なお金がかかります。

認可を取って売れたとして、かかった費用を回収する見込みが少ないため、日本ではなかなか開発する企業がいないということが予想されます。

しかも少子化で、これからさらにつわりの薬の処方数は減っていきそうですしね…。

つわりの薬は妊婦さん向けなので被験者が見つからない

治験では、妊娠可能年齢の女性にはとても気を使います。

もし、治験中に妊娠がわかったらけっこうおおごと。

治験コーディネーターは青ざめます。笑(長期試験で最初から妊娠の可能性を考慮している場合もありますが)

治験は即中止、妊娠経過から産まれた赤ちゃんの出生状況や、〇ヵ月検診の結果…まで追って調査したりします。

なので、治験コーディネーターは妊娠可能年齢の女性には来院ごとに妊娠の可能性について聞き取り、試験によっては毎回妊娠検査薬で陰性であることをチェックすることも。

それは、開発中の薬の胎児の催奇形性などがまだわからない上、それを人の妊婦さんで試験することは倫理的に許されないからです。

一般的な薬でも「妊婦さんNG」のものがたくさんありますよね。

あれは催奇形性があるとわかっているから、という薬だけでなく、妊婦さんを集めて治験をしたデータがないので、安全かどうかわからない、だからやめといてね、というものも多いです。

つわりの薬の被験者は妊婦さんになります。

でも、海外で認可されているものとはいえ大切な赤ちゃんに万が一何かあったら…と思うと、妊娠中にぜひ日本で認可されていない薬を飲みたいという妊婦さんって少ないかもしれません。

そうなるとつわりの薬の開発に必要不可欠な被験者がなかなか集まらず、治験自体が立ち行かなくなったり、被験者募集のためにどんどん費用がかさんでしまったりします。

サリドマイドの薬害事件の苦い思い出がある

製薬会社がつわりの薬の開発をしたがらないのは、サリドマイド薬害事件のこともあるのではないでしょうか。

妊娠中の女性が「妊婦のつわりを緩和し、安眠できる」という名目でサリドマイドを処方され、全世界で約1万人の胎児が被害を受けた、とても大きな薬害事件です。

メモ

日本では1,000名以上の被害が報告され(死産も多い)、さまざまな障害を持って産まれた方が今も苦しんでおられます。

もしまた同じようなことが起きてしまったら…採算が取れないどころか、製薬会社はおおきな負債をかかえることになりかねません。

とはいえ、製薬会社もほんとうに DiclegisやBONJESTAは薬害が起こる危険な薬だと思っているわけではないでしょう。海外ではもうよく使われているわけですし。

ただ、「危ない橋はできるだけ渡りたくない」「人手も予算も限られている中、妊婦さんを対象にした試験より他の試験をしたい」のも同様に本音なのではないでしょうか。

出産後の赤ちゃんの全例調査まで必要になってくると思いますし、海外で認可されているとはいえつわりの薬にはなかなか手を出せない現実もあるのかもしれません。

つわりの薬DiclegisやBONJESTAが日本で認可されないことについて

つわりの薬ってとても開発意義があると思うんです。

友人もつらいつわりで苦しんで、夜が明けるたびに「また今日も朝が来た」 と泣いていたそう。

海外では Diclegis BONJESTAがつわりの薬として認可されているのに、どうして日本では使えないんだろう…とつらい思いをする妊婦さんの気持ちを思うと、一刻も早く認可してほしいと思います。

たとえば生活習慣病の薬なんかはバンバン開発されているんです。

高齢者人口も多いし、長く飲んでもらえるから儲かるんでしょうね…。

例えば胃薬と生活習慣病の薬(どちらも承認済み)を合剤にしたものの治験とか…

別々に飲めばよくない?それよりつわりの薬の方を優先してほしい…と思います。

(いや、もちろんたくさんの薬を飲んでいる方や、飲み込む力が弱くなった方にとってはひとつでも薬を減らすのは意義のあることだというのはわかりますが。ってか治験の仕事しててこんなこと言ったら怒られそう笑)

ただ、なかなか開発に取り掛かれない製薬会社の事情もあるんだろうなというのも察することができます。

だからこそ、「つわりがなければもう一人産みたい」という方もいらっしゃるでしょうし、少子化対策のためにもこういうところに国がお金を投入してほしいですよね。

あと、こういう会議でおじさん方が顔をつきあわせて「つわりの薬ねぇ…産めばおさまりますからね…。じゃ、次の議題行きましょう」とか苦笑しながらスルーしてる「かもしれない」と想像するとほんとうに腹が立ちますね。

想像ですよ、想像!!笑

全然違ったらごめんなさい!!

もしかしたら各社、めちゃくちゃ悩みぬいて苦渋の決断で「開発できません…ッ!」って回答しているのかもしれませんけど。笑

でも、ずっと議題に挙げられているのに一向に進展しないという現実が、女性のわたしから見ると「つわりをそこまで重大な問題だと捉えてもらえていない」という気がして。

とはいえ、これからもっと海外での使用実績が増えてくると、製薬会社も取り掛かりやすくなるかも。ちょっとだけ期待しましょう。

日本でつわりの薬DiclegisやBONJESTA に替わるものはある?

海外で認可されているつわりの薬が日本でまだ使えない。

でもつらいつわり、なんとかしたいですよね…。

例えば栄養補給ゼリー「つわノン」というものがあります。

つわノンは薬ではないですが、DiclegisやBONJESTAに含まれているビタミンB6が30㎎配合されています。

また、海外ではつわりの症状緩和に医療者がすすめると言われているショウガも入っています。

さらに葉酸も入っているので、妊娠中に必要な栄養素がとれるのも嬉しいところ。

味はスッキリとしたジンジャーレモン味で、冷やして食べると食べやすいみたいですよ。

初回は6,458円(税込)が4,298円(税込)と30%以上お得に購入できるので、試してみてくださいね。

海外ではつわりの薬が認可されているとはいえ、つわりのお薬自体が数万円することもあるそうなので、それを考えるとお得かも。(保険制度の違いもあるのだろうけど…)

 

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つわりの薬DiclegisやBONJESTAはなぜ日本では認可されない?まとめ

つわりの薬は海外で認可されているのに、日本では使えないなんて本当に悔しいですよね…。

このようなドラッグラグの問題はつわりの薬だけでなく多くの薬で存在します。

かといって、薬の認可にじゅうぶんな症例も必要なく、カンタンに認可できてしまったらそれこそサリドマイド薬害のような悲劇がまた起こりかねません。

つらい期間だとは思いますが、我慢せず早めに病院に相談して点滴をしてもらったり、食べやすいものを買ってきてもらうなどして、どうにか乗り切れますように。

DiclegisやBONJESTA にも含まれるビタミンB6が入っている栄養補給ゼリーもおすすめです。

お身体を大事に過ごしてくださいね。かわいい赤ちゃんと会える日が楽しみですね。

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